「屋根の色があせてきた」「コケが目立つ」「そろそろ塗り替えたほうがいいと言われた」──スレート屋根のお住まいで、こうしたことが気になっている方へ。スレート屋根は塗装で手入れできることが多い屋根材ですが、傷み方によっては、塗装だけでは足りず、カバー工法や葺き替え(ふきかえ)を考えたほうがよい場合もあります。鹿嶋市・鉾田市で外壁塗装・屋根塗装と外回りの修理を手がけるさいとうリフォームが、塗装で手当てできる状態と、塗装に向かない状態の見分け方をまとめました。
スレート屋根と、塗装の役割
スレート屋根は、セメントなどを原料にした薄い板状の屋根材を、少しずつずらして重ねて葺いた屋根です。「カラーベスト」などの名前でも呼ばれ、戸建て住宅で広く使われています。
スレートの表面は塗装で仕上げられていて、この塗膜が屋根材を守っています。年月がたって塗膜が傷むと、色があせたり、藻やコケが生えやすくなったりします。藻やコケは水分を含むため、屋根材の傷みを早める原因になります。屋根の塗装は、こうした表面の傷みを手当てして、屋根材を保護し、見た目を回復させるためのものです。
一方で、塗装は屋根材の表面を守るもので、屋根材そのものの割れや、屋根材の下の傷みを直すものではありません。雨漏りの原因が屋根材の下にある防水シート(ルーフィング)などにある場合は、塗装だけでは止まりません。室内に雨染みが出ているときは、雨漏りしたら最初にすることもあわせてご覧ください。
塗装で手当てできることが多い状態
次のような状態であれば、塗装で手当てできることが多くあります。
- 色あせ・つやがなくなった……表面の塗膜の傷みです。
- 藻・コケ・カビが生えている……高圧洗浄でていねいに落としてから塗装します。
- 小さなひび割れや、釘の浮きが少しある……塗装の前に、ひび割れをコーキングで埋めたり、浮いた釘を打ち込んだりする簡易補修をしてから塗装します。
当社の屋根塗装の主な流れは、高圧洗浄、ひび割れ・釘の補修、下塗り(シーラー)、シリコン遮熱塗料での本塗装2回です。くわしくは屋根塗装のページで紹介しています。
塗装に向かない・塗装だけでは足りない状態
反対に、次のような状態のときは、塗装をしても長持ちしにくかったり、傷みの原因が残ったりすることがあります。
表面が層のようにはがれている・ぼろぼろ崩れている
屋根材の表面が、薄い層になってめくれるようにはがれている場合や、端のほうから崩れている場合は、屋根材そのものが傷んでいる可能性があります。塗膜の下の屋根材がはがれていくと、上から塗った塗料も一緒にはがれてしまうことがあり、塗装で表面を整えても長持ちしにくくなります。
割れ・欠け・ずれが多い
割れや欠けが数か所なら、補修や部分的な差し替えで対応できることもあります。ただ、屋根全体にわたって割れや欠けが多い場合や、屋根材がずれている場合は、塗装で表面を整えても、屋根材の傷みそのものは残ります。
雨漏りが続いている・屋根の下地が傷んでいる
雨漏りが続いていて、屋根材の下の防水シートや、屋根材を支える板(野地板)まで傷んでいる場合は、塗装では直せません。天井の雨染みが何度も出る、点検した業者から屋根の上を歩くとふかふかと沈むような感じがあると言われた、といったときは、下地の傷みも疑われます(屋根の上は、ご自身で歩いて確かめないでください)。
こうした状態のときは、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねるカバー工法や、屋根材を新しくする葺き替えを含めて検討することになります。当社でも、傷みが激しく塗装で対応できない場合は、カバー工法や葺き替えをご提案しています。
カバー工法と葺き替えの違い
カバー工法と葺き替えは、どちらも屋根材を新しくする方法ですが、古い屋根をどうするかが違います。一般的な違いは次のとおりです。
| カバー工法 | 葺き替え | |
|---|---|---|
| やり方 | 今のスレートを残したまま、その上に新しい屋根材(金属の屋根材など)を重ねる | 今のスレートをはがして、新しい屋根材に替える |
| 古い屋根材の撤去・処分 | 少なくて済む | 必要になる |
| 下地(野地板など) | 下地が傷んでいると向かないことがある | はがしたときに下地も確かめ、必要なら直せる |
| 屋根の重さ | 屋根材が重なる分、重くなる | 選ぶ屋根材による |
どちらが向いているかは、屋根材の傷み具合だけでなく、下地の状態や雨漏りの有無によって変わるため、実際に屋根を見てみないと決められません。当社の料金・お見積もりのページでは、過去にお出しした見積書の中に、屋根のカバー工法を含む例も載せています。
突然訪ねてきた業者に「すぐに葺き替えが必要」などと言われた場合も、さいとうリフォームを含め、どの業者に頼む場合も、その場で急いで契約せず、見積もりの内容を確かめて納得してから決めてください。訪問販売で契約した場合のクーリング・オフや、火災保険の申請をすすめる勧誘の注意点は、雨漏りしたら最初にすることで紹介しています。迷ったときは、消費者ホットライン「188」に電話すると、最寄りの消費生活センター等を案内してもらえます。
塗装するときに知っておきたい「縁切り」
スレート屋根を塗装する場合に、もう一つ知っておきたいのが「縁切り(えんぎり)」です。
スレートは屋根材を重ねて葺いてあり、その重なり部分には、もともとわずかなすき間があります。雨水がしみこんでも、このすき間があることで、晴れれば乾くようになっています。ところが、塗装をすると重なり部分に塗料がしみこんで、すき間がふさがってしまうことがあります。塗料メーカーの施工資料でも、住宅屋根用化粧スレートの塗装工程の中で、ふさがった部分を切り離して(縁切りして)すき間を作らないと、雨水がしみこんで雨漏りの原因になり、晴れても乾かずに防水シートや野地板を傷めると説明されています(出典:水谷ペイント株式会社「屋根用塗料 施工マニュアル No.9」をもとに当社で要約)。
スレート屋根の塗装は、ただ塗ればよいというものではなく、こうした重なり部分の扱いも含めて工程を考える必要がある、ということは覚えておいてください。
古いスレート屋根と石綿(アスベスト)
建てた時期が古いお住まいでは、スレート屋根に石綿を含む製品が使われていることがあります。厚生労働省の資料でも、石綿を含む成形品の例として「住宅屋根用化粧スレート」が挙げられています(出典:厚生労働省「鉱物及び石綿含有材料等に関する基礎的な知識」をもとに当社で要約)。なお、平成18(2006)年9月1日からは、石綿をその重量の0.1%を超えて含む製品の製造や使用などが禁止されています(出典:福岡労働局「珪藻土バスマット等石綿含有製品の輸入、譲渡又は提供の禁止を関係団体に改めて要請しました」をもとに当社で要約)。
建物の解体・改修の工事を行う際には、規模の大小にかかわらず、工事をする業者が工事前に石綿が含まれているかどうかの事前調査を行う必要があります(出典:厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト「改修・リフォーム業者のみなさまへ」をもとに当社で要約)。建物の事前調査は、令和5(2023)年10月から、建築物石綿含有建材調査者などの一定の要件を満たす人が行う必要があります(同ページより)。どのような調査や対策が必要になるかは工事の内容によって変わりますが、とくに古い屋根材をはがす葺き替えでは、こうした調査や、はがした屋根材の扱いにも注意が必要になります。ご自身で屋根材を割ったり、削ったり、はがしたりするのは避けてください。
自分で確かめるときは、地上から
屋根の状態が気になっても、ご自身で屋根に上るのはやめてください。スレート屋根は傾斜があって滑りやすく、転落の危険があります。また、傷んだスレートは踏むと割れてしまうことがあります。
確かめるときは、次のように地上や2階の窓から、身を乗り出さずに見える範囲で十分です。
- 少し離れた場所から見る……道路の向かい側など、屋根が見える位置から、色あせ・コケ・ずれがないかを見ます。
- スマートフォンのズームで撮る……表面のはがれや割れは、写真を拡大すると分かりやすくなります。
- 台風や大雨のあとにも撮る……前の写真と比べると、割れやずれが増えていないかが分かります。
撮った写真は、相談するときに見せていただくと、状態を伝えやすくなります。
まとめ
- 屋根の塗装は、スレートの表面を保護し、見た目を回復させるもの。屋根材の割れや下地の傷みは塗装では直せない
- 色あせ・藻やコケ・小さなひび割れ程度なら、補修と塗装で手当てできることが多い
- 表面が層のようにはがれる、割れや欠けが多い、雨漏りが続く場合は、カバー工法や葺き替えも含めて考える
- 塗装するときは、重なり部分のすき間をふさがないこと(縁切り)も大切
- 古いスレートには石綿を含む製品もある。工事の前には業者が事前調査を行う。自分で割ったり、はがしたりしない
- 屋根には上らず、地上から写真を撮って記録しておく
スレート屋根の傷みが気になったら、まずは状態を見てもらうのが確実です。



