玄関先や窓の上を見上げたときに、軒の裏側の天井にシミがある、板がはがれて垂れ下がっている、小さな穴が開いている──そんな傷みに気づいて、「これは直したほうがいいのだろうか」と迷っている方へ。軒の裏側の天井は「軒天(のきてん)」と呼ばれ、ふだんは目に入りにくい場所ですが、傷み方によって原因の見当がつくことがあります。鹿嶋市・鉾田市で外壁塗装・屋根塗装と外回りの修理を手がけるさいとうリフォームが、症状ごとに考えられることと、見つけたときにしておきたいことをまとめました。
軒天とはどこのこと?
軒天は、屋根が外壁より外に張り出した部分(軒)の、下側の面のことです。「軒裏(のきうら)」とも呼ばれます。下から見上げると天井のように見えるため、この名前があります。
軒天の板の向こう側は、屋根裏につながっています。そのため、軒天の傷みは見た目の問題だけでなく、雨水や小動物が屋根裏へ入る入り口になることがあります。家によっては、屋根裏の空気を入れ替えるための換気口(小さな穴やすき間の開いた部材)が軒天に付いています。これは傷みではないので、ふさがないようにしてください。
症状ごとに考えられること
シミ・輪じみ・黒ずみがある
軒天にシミや輪じみがある場合は、どこかから雨水がまわっている可能性があります。考えられるのは、たとえば次のような場所です。
- 屋根の先端や、屋根と外壁の取り合い(つなぎ目)
- 屋根の端に付いている破風板(はふいた)や、その周りのすき間
- 雨樋からあふれた水が、軒先をつたっている
シミの真上が原因とは限らず、離れた場所から入った水が伝って出てくることもあります。雨樋があふれている心当たりがあれば、雨樋から水があふれる・外れる原因もあわせてご覧ください。室内の天井や壁にも雨染みが出ている場合は、雨漏りしたら最初にすることで、まずしておきたいことをまとめています。
なお、日当たりや風通しが悪い面では、雨水が入っていなくても、湿気で黒ずみやカビのような汚れが出ることがあります。シミなのか汚れなのかは見た目だけでは判断しにくいので、写真に撮って比べておくと相談するときに役立ちます。
塗装がはがれている・色があせている
板そのものはしっかりしていて、表面の塗装だけがはがれたり、色があせたりしている場合は、年月による塗装の傷みであることが多いものです。このような状態なら、外壁を塗り替えるときに一緒に塗装するという考え方で、慌てなくてよいことが多くあります。当社の外壁まるごとパックにも、軒天の塗装が含まれています。ただ、板の表面が層になってはがれている場合(次の項目)と、地上からは見分けにくいことがあります。迷ったら、写真を撮っておき、相談のときに見せてください。
板がはがれている・たわんでいる・浮いている
軒天の板が浮いて垂れ下がっている、波打つようにたわんでいる、表面が層になってはがれている、といった場合は、板そのものや、板を支える下地が傷んでいる可能性があります。雨水や湿気を長く受けると、こうした傷み方になることがあります。
この状態の上から塗装だけをしても、下地ごと崩れて、その部分だけ塗装がはがれたように見えてしまいます。傷んだ部分を補修したり張り替えたりしてから塗装するのが基本です(よくある質問でもお答えしています)。
穴が開いている・欠けている
軒天に穴が開いていたり、板の端が欠けてすき間ができていたりする場合は、早めに状態を見てもらいたいサインです。軒天は屋根裏につながっているため、穴から雨水が入るだけでなく、小動物が屋根裏に入り込み、住み着いてしまうおそれがあります。
天井裏から物音がする、軒天や外壁にふんのような汚れがある、といった様子があれば、すでに何かが出入りしているのかもしれません。その場合の注意点は、次の章で紹介します。
放っておくとどうなるか
軒天の傷みは、すぐに暮らしに困るものではないことも多いため、後回しにされがちです。ただ、次のような点には気をつけておきたいところです。
- 傷んだ範囲が広がる……雨水や湿気を受け続けると、はがれやたわみが広がり、部分的な補修では済まなくなることがあります。
- 屋根裏への入り口になる……穴やすき間から雨水や小動物が入り、屋根裏の木材や断熱材を傷める原因になることがあります。
- 原因が残ったままになる……シミの原因が屋根や雨樋にある場合、軒天だけを直しても、また同じ傷みが出ることがあります。
「いつ直すか」は傷みの程度によって変わりますが、穴やたわみがあるときは、次の塗り替えまで待たずに一度見てもらうと判断しやすくなります。
屋根裏に動物の気配があるときの注意
軒天の穴から屋根裏に動物が入り込んでいるようでも、自分で捕まえようとするのはやめてください。鳥獣保護管理法では、環境大臣や都道府県知事の許可を得て行う場合や、狩猟者登録を受けて行う場合を除き、野生の鳥獣の捕獲は原則として禁止されています(出典:環境省「野生鳥獣の違法捕獲の防止」をもとに当社で要約)。狩猟者登録をしている場合でも、狩猟ができる区域・期間・猟法など、法令で定められた制限を守る必要があります(出典:環境省「狩猟制度の概要」をもとに当社で要約)。屋根裏に入り込んだ動物であっても、自分でわなを仕掛けるのは避けてください。なお、ネズミのうち「いえねずみ類」の3種は、この法律の対象外とされています(出典:環境省「鳥獣保護管理法の概要」をもとに当社で要約)。ただ、天井裏の物音だけでは何の動物か分からないことも多いので、迷うときは先に相談してみてください。
動物の気配があるときは、まずお住まいの市町村の担当課に相談してみてください。また、中に動物がいるかもしれないうちに穴をふさいでしまうと、出られなくなるおそれがあります。穴をふさぐ・軒天を張り替えるといった工事は、動物がいないことを確かめてから行うのが安心です。
直し方の目安と、塗装と一緒に直す考え方
軒天の直し方は、傷みの程度によって大きく分けて次のようになります。
| 傷みの状態 | 考えられる直し方 |
|---|---|
| 表面の塗装のはがれ・色あせ | 塗装 |
| 一部の板の浮き・はがれ・小さな穴 | 傷んだ部分の補修・張り替えをしてから塗装 |
| 広い範囲のたわみ・はがれ、下地の傷み | 下地を含めた張り替えをしてから塗装 |
どの直し方になるかは、実際に板や下地の状態を見てみないと決められません。シミの原因が屋根や雨樋にある場合は、そちらの手当ても必要です。
また、軒天の修理は高いところの作業になるため、足場が必要になることが多くあります。外壁や屋根の塗装で足場を組むときにあわせて直せば、足場を共有でき、費用を抑えられます(外回りの修理のページでも紹介しています)。なお、当社の塗装工事保証(外壁面・屋根面の塗装を5年間)は、軒天などの付帯部は対象外です。ただし、明らかに当社の施工不良や材料が原因の場合は補修いたします。
もう一つ知っておきたいのが、石綿(アスベスト)のことです。建てた時期によっては、軒天の板に石綿を含む製品が使われていることがあり、厚生労働省の資料でも、石綿を含む成形板の使用例として一般住宅の軒天が挙げられています(出典:厚生労働省「鉱物及び石綿含有材料等に関する基礎的な知識」をもとに当社で要約)。建物の解体・改修の工事を行う際には、規模の大小にかかわらず、工事をする業者が工事前に石綿が含まれているかどうかの事前調査を行う必要があります(出典:厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト「改修・リフォーム業者のみなさまへ」をもとに当社で要約)。古い軒天の板を自分ではがしたり、削ったり割ったりするのは避けてください。
見つけたら、地上から写真を撮っておく
軒天の傷みに気づいたら、次のように記録しておくと、傷みが進んでいるかを比べるときにも、相談するときにも役立ちます。
- 離れて1枚、近づいて1枚……家のどの面のどのあたりかが分かる写真と、傷みのアップの写真を撮ります。
- 雨の後にも撮る……シミが広がったり濃くなったりしていないか、晴れの日と比べます。
- 日付を残す……数か月おき、台風や大雨のあとなどに同じ場所を撮り直します。
2階の軒天は、はしごに登ってまで確かめる必要はありません。地上から見える範囲で、スマートフォンのズームを使って撮れば十分です。垂れ下がった板を引っぱったり、穴をつついたりすると、板が落ちてきたり、傷みを広げたりすることがあるので、触らずにおいてください。
まとめ
- 軒天は屋根の軒の裏側の天井。板の向こうは屋根裏につながっている
- シミは雨水がまわっている可能性。原因は屋根・破風板・雨樋など、真上とは限らない
- 表面の塗装のはがれ・色あせなら、塗り替えのときに一緒に塗装する考え方でよいことが多い
- 板のたわみ・はがれは下地の傷みの可能性。傷んでいれば、塗装の前に補修や張り替えが必要
- 穴は雨水や小動物の入り口。動物の気配があっても自分で捕まえず、市町村に相談する
- 修理は塗装の足場とあわせると費用を抑えられる。張り替えなどの改修では、工事をする業者が工事前に石綿の事前調査を行う
軒天に気になる傷みがあれば、まずは状態を見てもらうのが確実です。



